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さて、東洋医学の世界では、”体質”というのがものすごく重要だと考えられています。
「冷え症体質」だとか、「汗っかきの体質なんで」なんてよくいいますが、それとはちょっと違う概念かもしれません。

では、いったい東洋医学で言う「体質」ってなんなの? と不思議に思われますよね。

今日はその疑問にお答えしていきましょう。

西洋医学では細胞が人間を構成する最少単位で、細胞が寄り集まってできた、それぞれの器官や身体は個体差が余りなく、あっても体重の違い(男か女か、子どもか大人か、など)くらいでしょう。
ですので、同じ病気に対して1つのお薬を服用すると、誰でも同じ効果が期待できると考えます。

伝統的な東洋医学では、同じ病気でも体質によって治療方法は異なり、配穴(使うツボ)やお薬の種類はまったく違うものとなるのがあたりまえです。

たとえば便秘一つにしても、全員同じ治療をしていたら治る人と治らない人が出てくるだけに留まらず、結果として体調を崩してしまう人も出てくるのです。

画一的な治療をすれば、治療を施すどころか、体質を悪化させてしまいかねないのです。
ですので、「私便秘なんです」「はい、じゃぁコレ飲んでください」ということは絶対避けなければいけないんですね。

とはいうものの、利くツボというものは同じなんですが。

西洋医学の病院では、「あなたは〇〇〇の体質なので、あなたの身体にはこの薬がよく効きます。」というのが、
東洋医学であれば、このツボを使って、こうすればよくなります。
ということになるのです。

その際「〇〇〇」というのがその人の厳密な”体質”ではありません。
正確には”証(しょう)”というものです。
便秘は症状であって、証ではありません(ややこしいですね(^_^;))
根本的な原因が、例えば腎臓の弱りから来るものなのか、肝臓に問題があるのか、
それとも肺が弱って外邪といって風邪など外から入ってくる邪気によるものなのか、
などといった診断のことを指します。

未妊治療でも同じことです。

妊娠しづらい状態はどこから来るのか。

もともと持って生まれた先天的な体質、そして生まれた後の後天的な体質、
家族の病歴、本人の既往症、現在の生活習慣、精神状態、性格・・・
それぞれこと細かく尋ねて(問診して)確認していきます。

そして、身体の診断。
症状だけでなく、身体の表面に現れる小さな徴候を見逃さず、
両手、お腹やツボの状態をつぶさに診て、総合的に判断していきます。

そうして見えてきた体質をもとに、足りないところを補い、
“邪実”といって病的に旺盛になり過ぎているところを弱めて、
全体のバランスを整えていくのです。

体質を正しく判断できて、
治療がバッチリうまく決まって、
そのうえあなたの養生も後押ししてくれたら、
きれいに丸くバランスがとれた心身となって、
自然治癒力が増して、自らの力で妊娠できるようになるのです。

ただし、100%全員の方がそうなるとはいえません。
もちろん、女性だけで妊娠できるわけじゃないですから。

だから、妊娠率をドウコウ言うのはナンセンスです。

巷には多種多様な情報が流れています。
あなたにお願いしたいことは、ネットやクチコミの情報を鵜呑みにしないでいただきたいということです。
ある人には効果的であった治療法やお薬、サプリでも、
あなたの体質に合っていてあなたにも効果があるのかどうかわからない、ということです。

情報過多なネット社会では、あふれる情報と賢くつきあっていかねばなりません。
どうか、宣伝広告に流されることなく、まずは「参考にする」くらいの気持ちで見ていただければ、と思います。

そのうえで、信頼できる治療家にお訊ねくださいね。
あなたの体質を一番わかっている専門家であれば、
あなたにいいか悪いか、ちゃんと判断できるはずですから。

ややこしそうな”体質判断”ですが、これが実は一番効果的なのです。

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