今日は上品なお出しに欠かせない昆布をとりあげてみましょう。
これからの季節、お鍋にも大活躍です。いい味出します。

昆布の産地は北海道が有名です。
やっぱり寒い海がいいようです。
利尻昆布や羅臼昆布は高級品ですよね。

日本では高級品ですが、海外ではかなりぞんざいに扱われているようです。
ロシアでは「海のゴミ」って言われてるそうですし、
だいたい海草類って英語でも「海の雑草」なんて言うくらいです。
それをありがたがって食べてる私たちってけっこう不思議なんだそうですよ。
おいしいのにねぇ! グルタミン酸ですよ、だって。

昆布の栄養を考えると、まずはカロリーが少なく、食物繊維がたっぷりなので
メタボ対策にはもってこいの食材です。
出しだけではなく、まるごと食べれば便秘解消にも役立ちます。
このあたりはみなさん既にご存知ですよね。

日本人は不足しがちといわれるカルシウムも豊富です。
牛乳を飲むよりずっと効果ありです。
強い骨や歯のためにも、こまめに摂りたいですね。
カルシウムの隠れた力として、精神安定の作用があります。
足りなくなってくると、イライラしたり、短気になって損をします。
そんなに一気には蓄積できないので、毎日コツコツと補給しましょう。

ヨウ素(ヨード)という成分は含有量、食品中トップです。
これは甲状腺ホルモンのモトになる成分で、海草類に豊富です。
甲状腺ホルモンというのは、3大栄養素の代謝を促進する働きがあり、
基礎代謝を上げるためにも大切なホルモンなんですよ。
ただし、甲状腺機能亢進症や逆に橋本病などの持病がある方は、
摂取を制限されることがありますので、ドクターの指示に従ってくださいね。

他にもアルギン酸という水溶性食物繊維の一種は、血圧を下げる働きがあるのです。
コレステロールや腸内の有害物質も排出してくれますよ。
もう一つ多糖類の一種のフコダインは胃腸の炎症や潰瘍の予防・修復に役立ち、
ガンの発生・進行を抑えます。

では、漢方的に見ていきましょう。
性質は寒性、潤・降作用があります。
臓腑では、肝、腎、胃に入ります。
五味は塩からみです。
ということは、とくに腎の薬になるんですね!

東洋医学的な効能としては、
化痰軟堅、つまり痰をきり、堅くなった腫瘍などもやわらげてくれます。
清熱利水消腫、つまり体内にこもった余分な熱をさまし、
利尿によってむくみを取ります。

体質的には、冷え症の方や胃腸の虚弱な方には不向きなんですが、
普段から食べすぎで便秘がちな方や、
“陰虚”体質の方、気がのぼりやすい方に向いています。

豊富な栄養素をしっかりいただくためには、
出しをとるときは表面を洗わないこと、アクを取りすぎないこと。
そして、油で炒めるとヨードの吸収を高めることができます。

沖縄は昆布の消費量がとても多いのですが、
食べ方としては、油で炒める調理法が一般的だそうです。
これはヨードを摂取するのに非常に効率がよく、
また、よく加熱することでアルギン酸もめいっぱい利用できるんです。
細切りの昆布を炒めた一品。おいしくて後を引きます。
長寿で有名な沖縄。
その原因は昆布なのかもしれませんよ。

我が家では出しに使った昆布をためておき(冷凍保存)、
ある程度たまったら細く切って山椒の実を入れて佃煮にします。
安上がりですし、グルタミン酸のおかげか、おいしくできますよ。
他にも、カボチャと一緒に煮たり、大量のピーマンと甘辛く煮たり、
細切り昆布は食卓で大活躍です。

不妊症の克服には欠かせない腎の補強のために、
ぜひ昆布を活用してくださいね!

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