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体外受精に進む前のステップとして

腹腔鏡検査は、お腹に小さな穴を開け、そこから中を詳しく診る検査です。全身麻酔で行い、1泊程度の入院が必要です。お腹に開ける穴は小さいので、傷痕はほとんど目立ちません。

これまでの検査ではわからなかった不妊の原因が見つかることもあり、子宮内膜症や子宮筋腫などが見つかれば、必要に応じで同時に治療を行うこともあります。
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の治療としても有効です。卵巣の表面をレーザーで焼き癒着をはがします。

子宮内膜症とは、子宮内膜に似た組織が卵巣や骨盤内の臓器にできる病気で、卵管が詰まって不妊の原因になることもあります。子宮筋腫も、内腔に近い所でできると、受精卵の着床の妨げになることがあります。

この検査の際に卵管内を洗浄して、卵管のつまりを解消させるため、卵子や精子が通りやすくなり、半年ほどの間は妊娠しやすくなります。

「長期の原因不明不妊」「卵管に異常がある」「月経痛が強い」「体外受精を迷っている」等の方にお勧めです。

ただ、癒着がひどい場合や大きな血管から出血したことがある場合には、開腹手術を採用する場合もあります。これも、十分な説明を受けて、納得されてから検査を受けてくださいね。