書籍 下書き

現在、妊娠に至らない多くのご夫婦が不妊治療専門の病院を訪れて不妊症の治療を受けていらっしゃいます。
不妊症には、西洋医学的な各種検査をして明らかになる「原因」は限られており、たとえば受精障害のように体外受精を行って初めて明らかになる原因も少なくありません。卵管閉塞・排卵の障害・ホルモン値など、検査で不妊の原因がはっきり分かる【器質性不妊】と、検査をしても特に異常のない【機能性不妊】があります。

器質性不妊】は、薬や手術などで治療をすることが出来ますが、西洋医学的には原因がはっきりしない【機能性不妊】の場合は明確な目的をもっての治療を行なうことが難しいのが現状です。 また、不妊治療の第一歩となるクロミッドなどの排卵誘発剤やその他の薬もホルモン剤などが多く、副作用として【子宮内膜が薄くなる】、【月経量が少なくなる】などの影響があって不妊治療によって、さらに妊娠しづらくなってしまうという矛盾が生じてしまうことがあります。

強い薬は長く服用すると肝臓等にも負担がかかりますし、治療期間が長引くとステップアップ(タイミング指導→人工授精体外受精)とともに経済的な負担もかなりのものになります。検査も健康保険の利かない身体に辛い検査もあります。 仕事をしながらクリニックの通院をするなど時間のやりくりも大変で、ステップアップするとさらに大変になっていきます。

器質性不妊】であればその原因を取り除けばいいので、病院での治療はとても有効ですが、不妊症がやっかいなのは、単一疾患ではないことが多いということです。例えば子宮内膜症の副作用による癒着が妊娠の邪魔をしていたり、等があります。

機能性不妊】の原因として考えられているのは、生活環境やストレスによる情動障害という事です。気持ちが満たされない不満などで、身体の気血の循りを悪くすることが骨盤循環のうっ滞や生殖機能の低下につながります。加えて、病院への通院、治療が繰り返されることでの生活環境の乱れにより不妊悪循環を起こしてしまい、精神的ストレスを取り除けなくなってしまいます。その結果全身の血液循環の悪化、自律神経の乱れによるホルモンのアンバランスなどが起こり、【機能性不妊】になると考えられています。