お金の歴史第一回



これまでの動画でも、お金の歴史について、サラっと触れてきてはいるのですが、より突っ込んだ内容になります。

お金って、何なんでしょうか?

これから上げる四つの条件を満たせば、どんなものでもお金です。

1. 価値を表す単位(円、ドル、ポンド、ユーロ、など)。
2. 債務と債券(貸し借り)の記録であること。
3. 誰にでも渡すことが出来ること。
4. その担保。

例えば、日本の現金紙幣は皆さんの債権ですが、日銀(日本政府)の債務です。
銀行預金の口座は皆さんの債権ですが、銀行の債務です。
お金というのは、誰かの債権であり、誰かの債務です。

まずは、古代ギリシャから歴史の話を始めたいと思います。

豊穣と酩酊の神であるディオニソスは、従者シレノスが、今のトルコであるフリギア(アナトリア)のミダス王に歓待されたお礼として、希望通り、触れる全てのものがきらめく黄金に変わるようにしてあげました。ミダス王にとっては、人間に最も重要なものは「富」だと思っていたからです。

ミダス王は喜んで、木や石、土、麦の穂などをすべて黄金に変えていきました。ミダス王は、何もかもが黄金になる事を想像して喜びに酔いしれます。この世の全てを黄金に変えて、財産として貯めこむつもりだったのでしょう。

ところが、ミダス王はやがて自分が死に近づいてしまった事を悟ります。豪華な晩餐会を開いても、何も食べたり飲んだりすることが出来ません。これでは人間は生きていく事が出来ないからです。挙句の果てに、自分の娘までも黄金に変えてしまい、ミダス王は自分の愚かさを悟ります。「金持ちであることは惨めでもある」と反省したミダス王は自らの願いを憎悪し、ディオニソスに乞い願って、力を取り消してもらいました。

「カネ、カネ、カネ」なんて言ってると碌なことにはならないよ、という逸話ですね。

この逸話を受けて、かのアリストテレスは、

そもそも貨幣は全く無意味なもので、そもそも人が定めたものであって、自然の何物(なにもの)でもない。使っている人が貨幣を捨てて他の物を採用したらただの金属にすぎない。生活必需の何ものに対して、少しも役に立たないし、実際たくさん持っていても、必要な食料にこと欠くようになるからである。お金は食べれませんから、当然の事ですね。ミダス王のように、飢えのために死んでしまうようになるものが富んでいるのは奇妙である。

と、語っています。その通りです。確かに、お金は大事です。でも、お金は食べれませんから。怪獣のカネゴンなら違うかもしれませんが。最終的に人間が生きていくためには、食糧と水が必要なのですから。

ここまでは、仰る通り、なのですが、問題は次の動画に続きます。

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